HOME > 種苗部トップページ > バラ苗最新情報 > 苗の立ち枯れについて 夏期のバラ苗立ち枯れについては全国的に深刻な問題になっているようです。当社の苗生産現場では十分な設備と慎重な管理によって出荷する時点での問題はほとんどないと考えておりますが、病原菌自体はどこにでも存在し、条件さえ整えばいつでもその猛威を振るわんとたくらんでいます。
メルヘンローズ種苗部では岐阜大学の福井先生にお話を伺い、立ち枯れ性病害に対処する際の知識として役立てていただこうと資料をまとめてみました。 立ち枯れ性 菌類の生態について現在、バラの立ち枯れに影響している菌は、3種類ある。
いずれも、根についてだけ侵入して立ち枯れを引き起こす。
1.疫病菌苗の小さい段階で発病する。ポットの下から根がのぞくぐらいから定植して間もない頃に発病する。根が腐り養分吸収ができないため葉が黄色になり最終的に枯れる。
乾燥時には胞子で水分があると遊走子となり移動しバラの根に侵入する。そして、菌糸となり細胞を破壊して枯らしてしまう。 胞子⇒遊走子⇒菌糸⇒胞子⇒遊走子⇒菌糸と変化する。 病気の拡がりスピードは『ばたばたと枯れる』という感じでかなり早い。 2.ピシウム菌疫病菌より少し遅く発病する。定植して30cmぐらいから折り曲げする時期に根が腐り葉が黄色になり枯れる。
どこにでもいる普通のピシウム菌と高温性のピシウムヘリコイデスなど系統がいろいろあり性質もそれぞれ違う。 今までは、7月から9月までの発生がみられたが今年は、6月から発生している。最低気温が25℃以上になると発生し20℃以下では発生は止まる。 病気の拡がりは早く1週間で1ベットぐらい枯れる例もある。 胞子⇒遊走子⇒菌糸⇒胞子⇒遊走子⇒菌糸と変化する。 3.リゾクトニア定植後、株が50cmぐらい大きくなって発病する。発生時期は、10月から翌年6月ぐらいと冬場に発生する。病気の拡がりは遅く3、4株点在して枯れる。
遊走子はないので拡がりは遅い。土ぼこりなどで拡散する。 対 策以上の菌に共通する点は、水分量が多い条件で多発し易い。ベンチなどの停滞水による水分過多は注意した方がよい。水分量が多いと遊走子が移動しやすく拡がりが早いと思われる。胞子、遊走子、菌糸と変化するのでそれぞれの状態に合わせた対処が必要である。
胞子の状態では、枯れた根に存在し接触や土ほこりなど風で拡散する。改植時には根はすべて温室外に運び出し適切な処分をする。接触したと思われる所はケミクロン500倍で洗浄する。マットを並べる前のベンチや育苗箱は必ず消毒する。 遊走子の状態では、オスバン5000倍をマット内に灌注する。これは、遊走子を殺し移動を防ぎ病気の拡散を抑える効果がある。胞子、菌糸の状態では効き目はない。 菌糸の状態では、疫病、ピシウムには、タチガレエース10000倍、リドミル20000倍、クリーンヒッター1000倍を灌注する。遊走子がバラの根の中に侵入すると菌糸の状態になり細胞を破壊する。 今後は、苗生産も以上の点に注意をし健全な苗を生産する。改植時はベンチなどを完璧に洗浄し、レベル調整し直せばそんなに多発することはないと思われる。 発生したときは、遊走子をオスバンで殺し、植物体内の菌糸をタチガレエース、リドミル、クリーンヒッターで殺せば問題ない。
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